口内炎で辛い時は、歯科医院に相談してみましょう
口内炎の種類と原因
誰しも、一度は口内炎になったことがあるのではないでしょうか?
口内炎というものは、突然起こるお口の中の炎症ですが、本当に痛みの強い時は食事もままならない程の激痛を伴う病気です。
反面、なんとなく治っていく病気でもあるのですが、本当にどうしても辛い時には、迷わず歯科医院にお越しいただき、早めに治療する方が苦しい時間が短くなるのでオススメいたします。
それでは、簡単に口内炎の疾患についてと、歯科医院における治療について説明してきたいと思います。
『口内炎』とは、お口の中の粘膜に起こる炎症です。
具体的な部位とすると、唇や舌、頬の内側や歯肉などに起こります。
口内炎の原因には様々あり、アフタ性の口内炎から細菌性・ウイルス性のもの、そしてアレルギー性ものなどがあり、一概に、何が原因と特定することには、複雑な疾患であると言えます。
基本的に、お口の中であれば、どの部位に口内炎ができても食事に差し障りますので、激痛が走る口内炎は、とてもやっかいなものですね。
それでは、少し原因別に口内炎の病態を説明してみましょう。
まず、アフタ性の口内炎です。
このアフタ性の口内炎が、一般的にポピュラーなものだと思います。アフタ性の口内炎になる原因としては、過労や栄養不足、ストレス、ホルモンの乱れなどと言われています。要するに、体の抵抗力が低下している時に起こりやすいのです。『最近、ちょっと疲れているなぁ』と感じた時に、口内炎になる方の理由がこれに当てはまるかもしれません。
具体的な症状としては痛みや腫れ、違和感などです。
次に、カタル性口内炎です。
カタル性口内炎は、全体的に赤く腫れたりします。主な原因は物理的な刺激です。これがアフタ性の口内炎と違うところです。入れ歯や矯正装置などが入っていて、それが断続的にあたって刺激して傷つけたり、熱湯やお薬などで粘膜を傷ついたりすると、そこから細菌が入り込んで炎症が起こる口内炎です。赤く腫れ、ただれたり、水疱を伴う場合もあります。
最後はヘルペス性口内炎とカンジダ性口内炎についてです。
いずれもウイルス性の口内炎で、ヘルペス性口内炎は小児に多い口内炎です。ヘルパンギーナ、手足口病などがこれらに含まれます。大人だと、口唇(単純疱疹)や帯状疱疹などもあります。
とても強い痛みと発疹や発熱が特徴的です。
カンジダ性口内炎は、免疫力が低下した方などに起こりやすい口内炎です。元来、口腔内にいるカビ菌(カンジタ)が異常繁殖した状態の口内炎です。
口内炎と一言で言っても、それぞれ原因も状況も違いますので、注意が必要ですね。
口内炎の種類と原因
それでは、ここからは歯科医院における口内炎治療についてご説明していきます。
まず、歯科医院の治療領域の口内炎と内科や皮膚科領域のものがあるので、ここは少し区別が必要になります。
過労や栄養不足など抵抗力低下によるアフタ性の口内炎であれば、市販薬などで、様子をみれば改善していくものが多いので、そのまま様子を見ても良いでしょう。
ただし、あまりにも痛みや腫れが強く、できるだけ早く直したい場合には、歯科医院にてレーザー治療などで治療することもできます。まずは、ご相談いただくのが良いと思います。
次に、ウイルス性の口内炎です。発熱が続くなどがある場合は、皮膚科や耳鼻咽喉科、内科などで抗ウィルス薬を処方してもらうことになります。
また、矯正器具や入れ歯の刺激で起こるカタル性口内炎については、歯科医院で物理的刺激が起こらないよう、調整してもらう必要があります。その他、何度も繰り返す口内炎の場合には、口腔がんなどが潜んでいる場合もありますので、歯科医院にて口腔がん検査をうけても良いでしょう。
そしてカンジダ性の口内炎の場合も、内科的な疾患が隠れている場合もありますので、内科を受診するのも良いと思われます。
これらのように、たかが口内炎と思われがちですが、様々な診療科が関係する疾患に起因するものが多いので、迷った場合は、まずは歯科医院にて相談し見てもらってから、他の診療科を受診しても良いかもしれませんね。
ただ、子どもの口内炎は、まずは小児科に相談するのが良いと思います。
口内炎のできにくい体づくり
それでは最後に、できるだけ口内炎にならないような体づくりについて書いていきたいと思います。
まずは、歯科領域においては、お口の中の清潔を保つことが大切です。朝昼晩の歯磨きはもちろんのこと、ブラッシングなどで口腔粘膜を傷つけることのないよう気をつけることも大切です。
特に、口内炎になってしまった場合にも、できるだけ口腔内をきれいにすることを努めていきましょう。
口内炎の患部自体を磨く必要はありません。患部をさらに傷つけてしまいますので、そちらは慎重に扱いましょう。あまりにも痛みがある時にはゴシゴシブラッシングするのではなく、デンタルリンスなどでお口をゆすぐことも効果的です。
日頃から、お口の中をキレイに保つことで、細菌の侵入が原因で起こる口内炎も予防できます。ぜひ、歯科医院にて定期的な歯のクリーニングやブラッシング指導をお受けいただきたいと思います。このように、日頃から注意しておくことが大切です。
また、お口の中のみならず、全身の栄養状態や休息も必要です。
特にアフタ性の口内炎の発症には、ビタミンB群の不足があるとも言われます。できるだけバランスの良い食事に気を配り、ビタミンB群の積極的な摂取も心がけましょう。
また、アフタ性の口内炎は過労やストレスで引き起こしやすい口内炎です。十分な睡眠やリフレッシュ、適度な休息に配慮しながら生活を送るようにしてください。
いずれにしても、口内炎がひどい場合、なかなか治らない場合、繰り返してしまう場合など、できるだけ早めに歯科医院にご相談ください。
投稿日:2018年6月21日 カテゴリー:歯のコラム